Airkiss=ae=SSP ♯ 01

 

 

 

元素Pの喰取が急がれる。

 

はい。教祖様。

至極ごもっともで御座います。

 

現在の規模と人員で賄えるPの量と質にはどうしても限界が…

 

ヤツから奪ったunke.を解析し、完成した教祖様の研究論。

unkの原理を応用し、元素Pを目に見える形に成形することで、

魔素原理を理解し、応用できる我ら教祖様の直配下は、

普段からPを転用することは出来るようにはなりましたが…

研究の論述の通り、保存が効かず…そう長くは持ちません…

 

未だ臣民共には御業を魅せる程度。

Pの現物は、微塵も降ろせてはおりません。

 

やはり… 例のブツとヤツ自身が必要かと…

 

 

あの阿呆なスポンジ…

 

いや、

我が教団の救世主となる…

奇跡のunknownの行方はまだ解らぬのか。

 

 

はっ… 大変申し訳ありません。

方々手を尽くし、探しておりますが…

 

一連の魔導世界立魔法学園崩失事件の折に

フチュタクフト家王太子を窮地から救う為、

Pの超共鳴振動爆発を引き起こし、周囲を巻き込み…

その反動で次元の狭間に引き込まれたという報告以後…

未だ消息の程…把握出来ておりません……

 

 

アレは特別だ…そもそもそのような些事で死ぬ訳が無い。

一刻も早く、ヤツを我が教団の手中に収めるのだ!

 

調査御苦労だった。

 

…して、例のブツの方。

鍵の在処と、消息は掴めておろうな?

 

 

はっ

 

何しろ 潜伏場所が場所な故、

少々時間は掛かりましょうが…必ず手に入れて御覧に入れます

既に近辺調査を終え、後はこの手で捕縛するのみ。

 

 

実に結構!

 

エクセレントだ。大変素晴らしい。

 

お前の実力ならば、何の事は無い。

大した問題はなかろう… 頼んだぞ。

 

 

 

はっ

 

有り難き御言葉に御座います。

 

フハハ…

しかし、人の欲望とは実に罪なものよ。

尽きることは永遠に皆無…浸けいれば何の造作も無い。

 

だが… 故に。

誠に利己的な者が多くて困る。

 

 

はい…。

 

昨今では、教祖様の名を語り、

各地の弱者から金銭を毟り取る者も居るとか…

 

このような輩…如何致しましょう?

 

 

捨て置け。

 

いずれ、P結晶完成の暁には、

そんな小汚い醜塊等には目もくれなくなる。

 

元素Pが十分に充足した時…

その時こそ、全世界が真の平和を悟る時。

彼奴らは目が醒めるだろう。自らの愚かさを嘆くだろう。

彼奴ら自ら真の平和を渇望し、命すら惜しまなくなるだろう。

 

彼奴らの命は真の平和の重要な礎であり、糧となる…

 

よって、重要なのは今では無い…

むしろ、この醜悪な欲望が渦巻く混沌を楽しんでこそ…

Pを支配することが出来るだろう。

 

 

はい。

そのお手伝いが出来ます事…

 

私めは、甚く光栄に想います。

 

フフ…
エアキス…お前だけだ。

お前だけは本当によくやってくれる。

 

何故お前は、

そこまでして 私に尽くす?

 

 

勿体無き御言葉…

 

なんの事はありません。

何も無い闇中に、教祖様の御威光が差したまでのこと。

……

 

相変わらず喰えぬ奴よ…

 

エアキス=エィ=スピエイツ…

両親も居らず、兄弟が居るわけでもなく…

 

お前は、本当は何者なのだろうな?

 

 

 

私にも…

わかりません。

 

何も 御座いませんから。

 

まあ、いい…

そういうことにしておいてやろう。

 

嗚呼…それもこれも、何もかも…!

元素P…もとい “ピュアミウム”さえ、あれば。

 

全てがうまくいく。

 

 

 

はい。教祖様。

 

全ては教祖様の御意志の侭に。